◆静岡県島田市から静岡県御前崎市に至る地域高規格道路、「金谷御前崎連絡道路」の整備が進められています。この道路事業は、富士山静岡空港や御前崎港と新東名高速道路、東名高速道路、国道1号など東西の幹線道路を相互に結ぶ「陸・海・空の交通ネットワーク」として、旅客や物流の効率化を図り、産業振興、地域発展に寄与することを目的としています。延長約30kmのうち、倉沢IC(菊川市)から地頭方IC(牧之原市)間の約22kmを供用しており、現在は、菊川IC(島田市)から倉沢IC間の3.3km「金谷相良道路Ⅱ工区」で整備されています。

金谷御前崎連絡道路の3号橋脚横に、地域住民との交流の場として「473BP情報ボックス(ビジターセンター)~サンサン輝く473~」が開設され、「金谷相良道路Ⅱ工区」の道路事業に関する様々な情報が展示されています(事業完了まで開設予定)。

展示物のひとつに、計画路線上に生育しているスズメハコベを保全する取り組みについて紹介されています。スズメハコベは、水田や湿地に生育する植物で、湿地の開発等により減少し、現在では絶滅危惧植物(国および静岡県:絶滅危惧Ⅱ類)に選定されています。

この展示では、スズメハコベの保全対策と、計画路線周辺に生育する様々な水田植物を紹介しています。実物をみてもらうため、スズメハコベを含む数種類の水田植物を植栽したプランターも展示しています。

このような情報発信によって、地域住民をはじめ多くの方々が、スズメハコベをきっかけに身近にいる生物に関心を持ち、地域の自然の魅力を知るとともに、自然環境保全への理解促進につながることが期待されます。

473BP情報ボックス(ビジターセンター)

 

スズメハコベ

 

 

展示物(スズメハコベと水田植物の仲間を植えたプランター)

 

(株)環境アセスメンターの実績

当社では、金谷相良道路Ⅱ工区の道路建設に伴う生物調査や保全対策に携わるとともに、473BP情報ボックスにおけるスズメハコベの保全に関わる展示に協力させていただきました。

参考)

・東海自然誌(10):15-20「静岡県島田市におけるスズメノハコベMicrocarpaea minima (J. König ex Retz.) Merr.の確認と保全」

・応用生態工学会第22回全国大会ポスター発表「水田に生育する一年草の絶滅危惧種スズメハコベの保全の試み-道路事業に伴う環境保全技術事例-」